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現代版キャラクター設定の例:現実と非現実の間

お次に「そんな奴いるか〜!」というツッコミに対して、ネタばらし混在バージョンを。
せっかくですので、いただいたメールにツッコミを入れる形にしてみました。
ありがちな現実も列挙してありますが……これを詰め込んだキャラが生きる小説となると、ターゲット読者層の年齢が一気に上がるような気がします。
# 現代の社会人としては破綻してるケースもかなりありますが、目をつぶってください。

現実は常にイヤ展。

>> 祖父・曽祖父などが中国大陸で活躍した
>  「不毛地帯」の主人公、壱岐正みたいな祖父が居るなら 関東軍参謀として中国大陸で活躍してるやも・・・
現実にありそうなパターンなら、以下のようなものがありますね:

そもそも登場人物の祖父なんて、たいした設定があったところで物語には余り絡めずに済みます。
単純バカイチを狙うなら中国大陸云々よりも、祖父が剣術なり体術なりの伝承者である……などのほうが良さそうです。

>> 遠い先祖は、何か大きな事をしでかした疑いがある
>  具体的に書かなければ、どうにでもw
たしかにどうとでもなる項目。
どうとでもなる以前に、どうでもいい項目という気もします。
ありがちな現実:

といったところでしょうか。物語の導入キーに使えそうなものもありますね。
江戸時代の捏造家系図についてはギャグキャラ向け(ふたを開けたら大した事なかったオチ)でしょうが。

>> 外国軍の士官学校にリクルートされるも、お断りする
>  ホームステイ先で間違って米軍の入隊届けにサインしたりする人は現実に居たそうです・・・
>  他にも高橋是清に至ってはアメリカを放浪中に奴隷になったことがあるとか。

実は、編者(中崎)も似た経験をしています。他にも同様の方がごろごろいますね。
米軍は「間違って」じゃなくて、故意に勧誘電話をかけてきてくれました。いずこも人材確保には一生懸命のようでした。
(編者はむろん、光の速度で断りましたが、入る方もいらっしゃるようです)。

>> 士官学校(防衛大学校)入学試験に合格するが、入学を辞退する
>> 東大を卒業

>  第一志望が東京大学で、最後の滑り止めが防衛大だったとか。
>  家が普通のサラリーマン家庭みたいなので「うちはお金ないから、国立駄目だったら防衛大だよ!」でおk

これはそのまんまでいいですね。珍しい話でもないようですし。
その昔ですと、「金がないから東大」っていう受験動機は珍しくなかった気がします。今はどうなんでしょうね?

>> 国家公務員試験(第一種)受験するも、受験中に「馬鹿馬鹿しくなって」受験放棄。終了前に試験会場を去る
>> なぜか海外就職して、東南アジアの密林で勤務

>  むしろ実際に一次は通ったものの(受験中に受験放棄するのは誰にでも出来る)、希望官庁(外務省辺り)の内々定が貰えそうになかったので、「馬鹿馬鹿しく」なり、商社へ…の方が面白いかもしれません。
内々定が貰えそうにないから……ではなく、試験は受けてみたけど役人に興味ないから、官公庁めぐりなんてかったるくてイヤだったから、というのもありですね。
じゃあなぜお前受験した、という怒涛のツッコミを食らわせるくらいの役にしか立ちませんが。

>> 生活に困らない程度に外国語は話せる
>  留学経験や商社勤務でおk
ありがちな現実:

外国語が話せる事そのものよりも、話せるようになった経緯の方が、お話を盛り上げるネタになるような気がします。

>> そうは見えないが、体力バカである
>> 実はひっそりと軍人でもある
>> かつては射撃の名手

>  ですから留学(放浪?)中に・・・
体力は鍛えればOKです。
軍人と言う設定に付いては、世の中には予備役という便利なものがあります。
射撃の腕に付いては、撃つ機会が与えられてちゃんとしたインストラクターに習えれば、それなりに上がります。
……ギャグ展にするなら、「長らく練習してなかったので、今はモグラ撃ちの名人(=ド下手糞)」というおまけが付くところでしょうか(これもリアル展)。

>> 睡眠時間はかなり短い
>  個人差はあります、私なんか12時間寝ないと頭が回りません、その逆も当然居るでしょう。
職業柄、長い睡眠時間をとれない人は世の中たくさんいますからね。
というわけでよくある現実は割愛。

>> 普段はバカである
>  賢すぎて、論理が飛躍する方なのでわ?
周囲は「こいつ、ワケわかんないこと言ってるな?」と首をかしげ、
本人は「えーと、何が判らなかったんだろう?」と首をかしげている、
というパターンでしょうかね。
ありがちな現実:

前述の例は、ホームズ型+ノホホン型というところでしょうか。

>> 死体を見ても、眉一筋動かない
>  グロ嗜好なんでしょう、ただの死体じゃ物足りないんです。
そこまで異常じゃなくても話は作れるような気が……
ありがちな現実:

  1. 初めての経験なので、フリーズしてしまっている。動揺する事すらできない。
  2. 動揺しているのだが、表情・態度に出ていない
  3. 遺体が綺麗なので、別に驚くような事が何もない
  4. そもそも遺体があるのが当たり前の状況なので、驚く必要がない
  5. 職業柄、いちいち驚いていられない

なぜかスレに多く住まうらしき医師の皆さんだと、4+5のコンボでしょうか?
鑑識の方なら、5でしょうかね。
# まあもっとも、当方のお会いした新人の方は、写真取るときに思いっきり腰が引けてましたが。

>> 参謀属性あり。ただし、悪の参謀型
>  現実世界でも神重徳大佐なんかは、普通の参謀+陰謀家のようです。
>  有能で悪辣で、でもシナプスの繋がり方がずれている方なんですね。
>  高橋是清+神重徳みたいな方で、瀬島龍三みたいな凄腕のじーさんがいるのですよ、きっと。

よくある現実だと、ただの腹黒・陰険ってところでしょうか。
実績が伴うならばとにかくとして、社会人としてはかなり問題あるような気が……


さて。
上記で列挙した条件を全て備えたキャラクターには、最大の欠点があります。
それは、これら全ての条件をクリアすると二十五歳以下にはできないってことですね。
ライトノベルの主人公の多くは10代後半〜二十歳そこそこである事を考えるなら、脇役にしかならないということになります。
まあ、世の中には『皇国の守護者』のように主人公が20代後半という作品もありますから、主人公が若くある必然性もあまりないのかもしれないですが。


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